「放射性物質 汚染が心配」

がれきうけいれゼロ 悩む県内自治体

復旧協力したいが・・・。



 環境省が2日まとめた、東日本大震災によるがれきうけいれの市町村(一部事務組合を含む)の検討状況調査によると、熊本県内から受け入れに名乗りを上げた自治体・一部事務組合はなかった。「復旧、復興のために協力は惜しまないが、放射性物質汚染の恐れが全くないとは言えず、慎重にならざるを得ない」と、各自治体とも放射性物質を懸念する市民感情と被災地支援の間で頭を悩ませている。


 環境省によると、岩手、宮城、福島の3県で発生したがれきは推計約2300万トンに上る。住民が生活する地域から仮置き場に集められても処分が進まず、異臭や火災が発生する例もあるという。

 がれきの量は、1年分の一般廃棄物量に換算すると岩手県で約11年分、宮城県では約19年分に相当し、被災県だけでの処理には限界がある。同省は、県内処理を基本とする福島県除く岩手、宮城県分について全国規模の広域分担処理を訴える。

 同省が4月、全国の自治体・一部事務組合に、がれきの受け入れ可能能力を聞いたところ、熊本県では熊本市など8自治体・組合で年間約6万トンの受け入れ能力があることがわかった。

 ところが、その後、東京電力福島第一原発事故の放射性物質が岩手、宮城両県内の稲わらからも検出され、市民団体などから拡散を心配する声が上がり、がれき受け入れへの懸念が強まった。

 環境省は、放射性物質濃度が1キロ当たり246ベクレル以下なら焼却後も安全などどする基準を示し、10月7日付で再調査。質問は①すでに受け入れを実施している。②被災地への職員派遣など具体的あ検討を行っている③受け入れに向けた検討を行っているーの3択で、熊本県が先の8自治体に・組合に照会したところ、「該当」するところはなかった。

 山都町は「町が運営する処理施設、粗大ごみ処理施設ともに処理能力が低く、安定的な受け入れが難しい。がれきには住民も敏感になっている」、阿蘇広域行政事務組合は「うちは可燃物を破砕して固形燃料をつくる処理施設。がれきは不燃物が混在し、そもそも受け入れ不可能だ」と説明する。

 県内最大の処理能力がある熊本市は「放射性に汚染された災害廃棄物を処理する安全性の確立が保障されていない」、水俣市も「国が示した安全基準が根拠に乏しく、市民が納得する説明ができない」と受け入れに慎重だ。

 熊本市の幸山政史市長は「すべてを否定するものではなく、復旧・復興のためにできる限りお協力をしたい」と強調するが、打開策は見出せないままだ。(潮崎知博、川崎浩平、渡辺哲也)


受け入れ表明

4月から激減

 環境省が2日発表した東日本大震災によるがれき受け入れ市町村(一部事務組合を含む)お受け入れ検討状況調査によると、すでに受け入れているが6、検討中が48止まりで、同省が4月に要請した段階で受け入れを表明していた572から激減した。対象のがれきは県内処理が基本の福島県は除かれるが、放射性物質に対する住民の不安などが背景にあるとみられる。

 環境省は「検討中の自治体で受け入れが実現しても、被災地が求める処理量には達しない」としており、自治体間の調整の支援を強化するとともに、岩手、宮城両県の震災廃棄物お安全性などを説明した資料を作成し、全国の自治体に配布する。